岸本知弘

2014.02.14

第8号「産業保健」

歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然。
今回も最後までお付き合いいただきますよう宜しくお願い致します。

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歯科医師が関わる分野に産業保健があります。
一般開業医には馴染みの薄い分野であるように思われがちですが、一般社会では大きな意義を持っております。
端的に言うと、産業保健とは「産業に関わる人々の健康を保持増進するもの」です。
学校 保健や母子保健と共通する部分もありますが大きく異なる部分もあります。

1.年齢層、個人差など:
15歳から64歳くらいまでの生産年齢といわれる人々のうち就業している人がその対象となり、病気を持った患者ではなく一応健康で働いている人々を対象としています。
職場にもよりますが一般的に女性よりも男性が多いというのも特徴の一つです。

2.包括的健康管理(トータルヘルスケア):
人間の出生から老人までの生涯を通しての健康を管理する意味と、心と体及びそれを取り巻く環境を含めて総合的に健康を管理する意味とあり、産業保健はこの両面を受け持ちます。
生活時間の大半(1日8時間以上)を過ごす職場での心身の健康を確保すると共に、生活する地域や個人生活、家庭生活など総合的に考えることになります。

3.利潤追求の場:
対象となる場の多くは、事業場として利潤追求を一つの規範として機能している場でもあり、健康よりも経営的配慮が優先されがちな背景があることを否定できません。
これに対し、学校保健の場は利潤の追求とは関わりなく純粋に子供の発育や健 康だけを考えることのできる場であり、対象年齢、性別的にも均一性があり対応が比較的容易な場であります。

4.経費の制約:
特に民間企業では、保健活動の経費であっても、その経営に支障を来さない範囲の経費で実行可能か否かが現実的に問題になります。
産業保健を行う際に費用便益関係を無視できません。
学校保健のように経費面で公費からの大きな支援があるものとは異なる状況にあるという理解が必要です。

5.専門スタッフ、ライン:
元来、健康は各個人の自己管理によって得るものですが、職場という特殊な環境では個人の自己努力だけでは及ばない部分も大きく、ライン(職制) や各専門スタッフ(産業医、衛生管理者、など)という組織がこれを支えることになります。

6.報酬を期待しにくい:
多くの人々にとって健康という状態は通常のものであるので、疾病治療とは異なり保健活動には報酬を期待しにくいという一面があります。
更に保健活動の成果は長期の活動の結果としてみられるので、各々の時点で保健活動が高い評価を得ることが少なく、感謝や報酬の対象とはなりにくいことが多いです。

先日のNHK・クローズアップ現代では「企業における健康づくりはコストではなく投資」であり、社員の健康に関しては福利厚生ではなく経営戦略として考える、とありました。
健康に勝る財産はありません。
健康だからこそ本人の能力を遺憾なく発揮できるのです。

更に言うなれば、健康を扱う医療人は一般人以上に健康でなければならないと思っております。
産業保健分野での我々歯科医師に対する課題は山積です。
まずはこの分野に関わることから始めましょう!
関わることも職務の一つです。

参考:NHKクローズアップ現代「“健康経営”のすすめ~会社も町も大変身!?~」 http://www.nhk.or.jp/gendai/kiroku/detail_3459.html

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