2025年9月4日(木)
歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然。今回も最後までお付き合い頂きますよう宜しくお願い致します。
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某学校の学校歯科医に就任して恐らく今年が十年目。
歴史のある学校なので、色んなところに色んな状態が散見される。
古き良きモノはこの先も未来永劫継続していけば良いが、旧態依然なモノは折に触れ見直し改善が求められる。
某学校には飲み物の自動販売機がある。
いつからあるかは定かでないが、私より年配の先生が「私がココの学生だった頃から中身が同じ」と仰っていたので、中身の真偽は定かではないが自販機の存在そのものは少なくとも半世紀くらいはあり続けているのだろう。
自販機には24の枠があり、全種類違う飲み物をチョイスしたらこの自販機では24種類の飲料が販売できるが、現在では13種類、2枠使ってるのが11種類、残り2枠は他と違う飲料がセットされている。
で、だ。
セットされている中身が非常に気になる今日この頃。
違う飲み物がひとつずつ、の枠に、濃縮還元果汁100%のパック飲料が計2種類。
他は全て、甘い甘い「オ・レ」「ラテ」「乳飲料」の数々。
ちなみに、フランス語の「au lait」を日本語のカタカナにすると「オ・レ」になり、イタリア語の「latte」を日本語のカタカナにすると「ラテ」でこちらは「・」不要、という豆知識。
某教員曰く「いちごオ・レが学生に大人気なんですよ♡」と。
いちごオ・レが悪いとは言わない。いちごオ・レ自体は悪くない。
駄菓子菓子!
育ち盛りの学生がわんさかいる学内に設置する自販機の内容としては些か問題なかろうか。。。
歯科医師の立場として、学生の歯科口腔保健を守り育てる立場として、シュガーコントロールの重要性は山より高く海より深い。
健康増進や医療費抑制を目的とした【ソーダ税】を徴収している国が世界に45カ国以上ある。
ソーダ税とは、砂糖を多く含む清涼飲料水に課される税金であり、砂糖税(シュガー・タクシー)とも呼ばれており、世界保健機関(WHO)が導入を推奨している。
嗚呼これは非常に良い税制だ!と思ったアナタ、私もそう思うが、何故か日本では導入の検討もされたことが無い、らしい。
日本は飲料メーカーの発言力が非常に強く、飲料メーカーにとって都合の悪い話はあまり俎上に挙がってこない。
そしてこういった話は何も日本だけでなく、アメリカ国内においても当初ソーダ税を採用した州も地元企業の大反対にあって廃税にした事例もある。
人間にとって糖は生きていく上で必要ではあるが、ものが有り余る現代において糖は摂取不足より過剰摂取の方が問題になっている。
糖は脳内の報酬系を刺激しドーパミンが大量に放出される。
ドーパミンは幸せ物質とも呼ばれ「美味しい!」「幸せ!」と感じ、その快感を脳が強く記憶する。
この「快感と行動の結びつき」が、「もっと欲しい」という強い欲求につながっていく。
糖が脳内麻薬と呼ばれる所以はココにある。
ちなみに、1901年(明治34年)から1989年(平成元年)に消費税が導入されるまで、日本には砂糖消費税なるものが存在していた。
砂糖を製造する業者や、輸入する業者から徴収する税金で、砂糖の色の違い(黒糖や上白糖など)によって税率が違っていたらしい。
砂糖が貴重な贅沢品だった所以も、消費税の導入で姿を消したのか・・・という豆知識。