2025年6月4日(水)
歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然。
今回も最後までお付き合い頂きますよう宜しくお願い致します。
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6月4日はむし歯予防デー。
また、6月4日から10日までの1週間は「歯と口の健康週間」とされており、この期間中に全国各地で歯や口腔の健康に関する様々な啓発活動が行われます。
ちなみに今年の「歯と口の健康週間」の標語は【歯みがきで 丈夫な体の 基礎づくり】です。
毎年この時期に日本歯科医師会が発表しています。
私事としては、某小学校の歯科健診に行ってきました。
この日は1年生と4年生、合計200名の児童が対象。
毎年思うことですが、児童のむし歯は本当に減っていると実感します。
と同時に、歯列不正などの発達不全が多く、むし歯も「一人の子に多数歯」あったりします。
むし歯の統計指標として【平均DMF指数】というものがあります。
「DMF(またはDMFT)指数」:集団における永久歯列のう蝕(むし歯)経験を表す指標
DMF指数=DMF歯の合計
「D」(decayed tooth):未処置う蝕歯
「M」(missing tooth; because of caries):喪失歯(う蝕が原因で抜去された歯、機能を喪失した高度のう蝕歯を含めることもある)
「F」(filled tooth):う蝕が原因で処置された歯
「平均DMF(またはDMFT)指数」:被験者全員のDMF歯の合計 / 被験者数
平均DMFT指数は最後に被検者数で割るところがミソでして、「一人の子が多数歯う蝕を抱える」状態ではあまり意味を成さないのではないかと考えます。
例えていうなら、生徒100人のうち
むし歯20本もつ児童が1人の平均DMF指数=(20×1)÷100=0.2
むし歯1本もつ児童が20人の平均DMF指数= (1×20)÷100=0.2
となり、どちらの平均DMF指数も0.2となりますが、実態は全く異なりますよね。
1960〜1970年代のむし歯洪水時代なら平均DMF指数で会話することには意味がありました。
それから50余年、日本はむし歯に対してフッ化物の応用など随分力を入れた対策を講じてます。
令和4年度の学校保健統計調査によると、12歳児の平均DMFT指数は、全国で0.56本です。
(ちなみに令和4年の歯科疾患実態調査を基にしたデータによると、15~24歳で2.5本、25~34歳で6.6本、35~44歳で9.7本、45~54歳で13.4本、55~64歳で15.8本、65~74歳で18.4本、75歳以上で22.1本となっています。)
結果、全体として子供のむし歯数は激減しています。
駄菓子菓子、人数は少ないですが【多数歯う蝕を抱える子供】は依然存在しており、対応の重要度は増しています。
そういった子供は往々にして問題点が口腔内だけに留まることはありません。
学校等社会との関わり、親との関係性、家庭環境、等々、それなりの深く大きな課題を抱えていることが多く、言い換えれば子供の口腔内からその子の家庭環境を推し量ることも出来ます。
穴があいたり失ってしまった歯は元に戻りません。
日常から【かかりつけ歯科医院】で定期的な口腔健康管理を行う習慣が大切です。