岸本知弘

第101号「易きに流れてはいけない」

2021年11月12日
歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然でございます。
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申し訳ございませんが、連続のAppleネタです。恐縮ですが、今回も書かずにはいられません!
【アップルの製品デザインは、元デザイン最高責任者ジョニー・アイブ氏が2019年に退社してから「美しさよりも機能」に改善されたとの見解】とのニュース。
もしこれが事実だとしたら、今後Appleはかなり窮地に立たされることになるでしょう。
というのも、Appleは元来、コンピュータの企業ですがデザイン会社でもあるのです。
その証拠に、製品には必ず “Designed by Apple in California” と銘記されています。
つまり、心底デザインに拘っている企業である、はずなのです。
とはいえ、過去のAppleは、今のAppleと同じようにデザインよりも機能性を優先させた製品を作った時期がありました。ジョブスがAppleから追放されていた時期です。当時の製品は駄作、とまではいいませんが、当時の製品が「別にApple製で無くても良かった」のは事実です。
Appleらしさを取り戻したのはジョブス復帰後の5色のiMacである!
当時をご存知の人には異論が無いでしょう。何しろ、世界中の【一般人】にホームパソコンを導入させた大きなきっかけでもある分けですから。ゴツゴツした箱形(モニター別)から透明で可愛い色使いのオールインワン!「可愛いから買ってみた」「触ってみたら使いやすかった」奇しくもこういった表現こそが今も受け継がれているAppleらしさだと私は思っています。
シンプルであると言うことは何事にも替え難いのです。
【シンプルであるが故に美しく、シンプルであるが故に使いやすい】
しかし、そのシンプルな製品に初めて出逢ったときは戸惑いを隠せません。
ヒトは学ぶ生き物です。最初はよく分からない事象でも、見て聞いて使えば生活の中に溶け込むことはよくあります。iMac然り。iPhone然り。Apple Watch然り。過去のApple製品には説明書が冊子として同封されていました。今のApple製品に細かな使用説明書は存在しません。この流れはWin陣営やパソコンに限らないあらゆる企業に影響を及ぼしています。説明書が無くなったとき、どうやって使い方を確認すれば良いのだ?と彷徨いましたが、今は説明書が同封されていないのが普通になりました。箱の中にはシンプルに製品が一つ同封されているのみ、です。
Appleは時代を牽引する企業であった、はずです。無から生み出す企業であった、はずです。
【ジョニー・アイブ氏の後継者らは、今やお客様の言うことに耳を傾けています】
某ニュースサイトがこのように伝えていることに私は危惧の念を隠しきれません。
一見、Appleは利用者目線にたって企業として親和性が増したように聞こえるかも知れませんが、長期的視点に立てば全くの逆で、顧客に媚びする姿勢とも捉えられかねません。
【易きに流れてはいけない】
Appleはデザイン会社。創造する会社。
顧客の声から斬新な製品は生まれません。発案者以上のクリエイティブなモノは生まれません。
何よりも、ワクワクするような時代を創造することが出来なくなります。
既存の技術の寄せ集めは烏合の衆に過ぎず、面白くないし時代を牽引することも出来ません。
傾聴を否定している訳ではなく、シンプルを突き詰める姿勢が前提にあるべき、と考えます。
歯科も一緒なのです。
シンプルな口元が一番機能的で、一番美しい。一番違和感が無く、一番良いのでしょう。
口腔内環境の時代を牽引するのは歯科であるべきと思いますし、歯科でありたいと思います。
歯科は、う蝕・歯周病の時代から、咀嚼嚥下、そして口腔健康管理の時代へと移り変わるのです!

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