岸本知弘

2021.12.23

第102号「正論について考える」

2021年12月23日
歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然でございます。
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「正論は時に相手を窮地に陥れる」
私が某先輩とディスカッションをしており、私が今に至るまでに想い感じたままの公衆衛生観を述べていたときに某先輩から承った言葉です。
歯科医師法第1条に「歯科医師は、歯科医療及び保健指導を掌ることによつて、公衆衛生の向上及び増進に寄与し、もつて国民の健康な生活を確保するものとする。」とあります。
つまり、開業医だろうが勤務医だろうが公務員だろうが、歯科医師という資格を用いて仕事をする際は、常に公衆衛生的視点を持ち合わせなければならず、歯科診療は世に存在する疾病のごく一部を対象にするに過ぎず、保険証を用いた保険診療は歯科診療の一部でしかありません。
つまりは歯科医師の本分として、歯科医療のみならず保健指導においても十二分にその役割を担うことを求められています。
私のイメージ;健康 >> 病気 > 診療(診察+治療) >> 保険診療
むし歯で生えてくる歯は一本もなく、歯周病で産まれてくる人も一人もいない、という事実。
むし歯も歯周病も後天性疾患で、予防する気になれば予防できる疾患なんです。
・・・上記最後のあたりが、いわゆる正論です。そして某先輩から冒頭のコメントを頂きました。

正論(せいろん)は【道理を説く論について正しいものであると評価する呼び方】とあります。
問題に対する最適解ではある(と自負している)のですが、現実離れしている場合に論者への指摘として用いられることが多く、もれなく私に対してもこの指摘でございました。
「君は正論が過ぎる。過ぎると相手を追い詰めてしまう。必ず逃げ口は残しておきなさい。」
・・・と某先輩からのコメントは続きます。なるほど、言葉も過ぎれば暴力となり得ます。
このいただいたアドバイスは今も私の指針の一つとしてあり続けています。

世の中には通りの通らない事象も散見されます。理不尽な事象も多々あります。
全て正論で押し通そうとは思いませんが、正論が通用しない社会は秩序が保てません。
日本人は世界規模でみたらかなりマジメな民族です。日本ではコロナ禍で暴動は起きません。
私たちは、まずは何が正しいかを、様々な情報を収取して見極め、自身で考え、それに基づいて行動することが出来る、はずです。暴言や暴力に訴えることなく解決へと導いていく術を模索し対応できる、はずです。
私は普段、割と穏やかな環境で生活している、と思ってます。診療においても誰も声を荒げることもなくスタッフも穏やかで患者さんも落ち着いてお話しできる方が殆どです。
駄菓子菓子・・・
年の瀬も押し迫った先日、某スーパーの売り場で、店員さん一人に対しお客さん長蛇の列。
イライラした一人のオッチャンが「おい、モタモタすんなや。どんだけ待たせんねん!」と。
そりゃあ言っちゃあイカンでしょ。店員さん、手が震えてましたわ。可哀想に。
モタモタしてたわけでは無いでしょうが待つのはかなり待ちました。それでも、ねぇ。
こういったところでそのヒトのモラルや寛容度が現れます。
正論云々とは少し話がずれましたが、【相手を不快にさせない】という術は正論如何に関わらず大切だな、と人の振り見て我が振り直そうと思いました。
明るく楽しい2022年をお迎えくださいますよう祈念申し上げます

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