岸本知弘

2021.07.20

第97号「伝統の継承」

2021年7月20日
歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然でございます。
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京都で7月といえば祇園祭です。
7月上旬から四条通を中心として鉾や山が立ちはじめ、町中でコンコンチキチンの鐘の音と共にお囃子が聞こえてくる、はずなのですが・・・
昨年、そして今年も、市中を巻き込んでのお祭りは中止となりました。
そもそも祇園祭の発祥は疫病祓いのお祭りであったはずですが、疫病の最たるコロナ禍で中止とは、何とも皮肉なお話です。
山鉾巡行などのイベントは中止になっておりますが、神職による疫病祓いは粛々と執り行われているようです。疫病の収束を願って已みません。

日本三大祭りの一つに数えられるように、祇園祭は日本を代表する祭の一つです。
祭を維持していくためには様々な伝統や格式を維持し継承していかねばなりません。
今年の祇園祭は「伝統の継承のために鉾立を行う」とありました。
伝統の継承とは、何も技術的なことだけではないと思います。
その背景にある文化的な側面、歴史的意義、そういった諸々をどうやって現代に即した形に合わせていくか、といったことも伝統を継承する際には大切な観点となるはずです。
現代風にアレンジできるところはアレンジして、アレンジできない、アレンジしてはいけないところは粛々とそのまま継承する。そういった確認作業も常々必要になってくるでしょう。
そして、それは、私のような「継承された伝統を感じ味わう側」にも求められます。
伝統とは一時的なものではありません。
伝統とは一方的なものではありません。
伝統の継承には、それを見守る側にもルールやモラルが求められるような気がしてなりません。
昨今、色んな事象に平等が求められるようになってきました。
しかし、ほんの一昔くらい前までは、
「祇園祭のお囃子の練習のために学校早退します」
「祇園祭の準備のために昼から会社早退します」
「粽(ちまき)売らなあかんので学校休みます」
みたいな話は、鉾町(鉾のお世話をする町内)出身者ではよく見受けられましたし、周囲はそれを咎めることなく当たり前のこととして受け入れてきました。
伝統は地域の協力がなければ継続させるのはなかなか難しいと感じます。
昨今は、どうなんでしょうね。

今年は偶然、月鉾の鉾立に立ち会うことが出来ました。
横たわっていた骨格が立ち起こされ、矛先が垂直に天を指したとき、羽織袴姿の長老が
「綺麗に立った!今年は今までよりも綺麗に立った!良かった良かった!」
と喜色満面の笑みで興奮気味に周りの若衆に語っておられました。
実際、本当に今までよりも綺麗に立ったのか、それは私には分かりませんが、駄菓子菓子!この気持ちこそが伝統の継承だと感じました。
途切れることなく粛々と、一歩一歩を確実に、時々の紆余曲折はあれど行く先は前の方。
私も京都市民の一人として、伝統を大切にしていきたいと改めて感じた次第です。

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