岸本知弘

2021.02.15

第92号「脚下照顧」

歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然でございます。
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思うところがあり、永平寺へ参拝致しました。
永平寺には私が大学1年の時に1泊研修で訪れて以来なので、四半世紀ぶり!?
参拝で訪れたのは初めてです。
そこには何百年にも渡って雲水さんたちによって粛々と受け継がれている世界観がありました。

手水舎の説明には、以下のように書かれていました;
 〜我が心身を清め世界を清める〜
  (中略)
 感染症流行の時代、感染しているか、感染することが怖いから手を洗うのではありません。
 自らを清めようとの願いによって、今、手を洗うのです。
 このことこそが、自らを清め、本来の世界を持(たも)つことになるのです。
 手洗い・マスクの着用は、脚下(今における)仏行であるのです。

う〜ん、なるほど。深い。
単に汚れて不浄不潔な手を洗い清めるに非ず、脚下照顧の世界観也。
全ては己の心のもちようなのですね。
禅の世界では他者から答を教わることはありません。自身を内観し問いかけ、そこで生まれ感じるモノを一つの答えとするのか、と。
静寂な時間を持つことはとても大切です。

門前には街全体を包み込むように
雪解け水が勢いよく流れる音がします
まだ雪深い辺り一面ですが
響き渡る轟音は春の訪れなのでしょう

門前のお店は喫茶、飲食、土産物屋に至るまでほぼ全て「本日休業」の張り紙。
ゆっくり4時間くらいかけて拝観しましたが、その間に出会った参拝者は10名程度。
この閑散ぶりの理由は「平日だから」だけではないでしょう。
コロナ禍で人々の行動から神仏への参拝の心が薄れ離れていることに哀しみと不安を覚えます。

永平寺年表なるものを眺めていたら、なんと!道元禅師、京都生まれじゃないですか!
福井県で永平寺を創始されるも最期は京都でお亡くなりになったとか。
ヒトって身勝手なもので、同郷の志士に対しては親近感を抱きファンになってしまうんですね。
それにしても、人はやはり死期を悟った時には自身のルーツを辿るものなのでしょうか…
ちなみに道元禅師が福井入りしたのは44歳、永平寺の前身である大仏寺を落成したのが45歳。54歳の7月に住持職を後任へお譲りになり8月にお亡くなりに。
ワタシ、今年47歳。うーーーむ・・・
今までは出身大学の背景としての曹洞宗、その開祖としての道元禅師という認識でしたが、何となく「それ以上の感覚」を今まで抱き続けていた理由がわかった気がします (笑)

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