岸本知弘

2019.10.16

第76号「子どもの権利条約」

歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然。
今回も最後までお付き合いいただきますよう宜しくお願い致します。
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1989年(平成元年)11月20日に国連総会は全会一致で「子どもの権利条約」を採択しました。
以来、これまでに国連加盟国数を上回る196の国と地域が締結し、世界で最も広く受け入れられている人権条約となっており、以下の4つに大別されます;
「生きる権利」全ての子供の命が守られること
「育つ権利」医療、教育を受け、持って生まれた能力を十分伸ばして成長できること
「守られる権利」暴力、搾取、有害労働などから守られること
「参加する権利」自由に意見を表したり、団体を作ったり出来ること

この権利条約の草案に深く関わる人物としてヤヌス・コルチャック(1878~1942)というポーランドの医師がいます。彼は33歳で小児科医を辞し、児童養護施設「ホーム」を設立します。
「ホーム」での子供たちはありのままの尊厳を認められ、時に権利を行使することの重みを知りながら、愛を受け、感受性を伸ばし、輝くような日々を過ごしました。
第二次世界大戦が勃発した翌年、彼はナチスのユダヤ人絶滅政策によって200名の子供たちと一緒にガス室のある収容所に向かうことになります。彼には特赦の嘆願が通っていましたが、自分だけが助かる道を拒み、最後まで子供たちといることを望みました。
200名の子供たちは移送駅までの道のりを「ホーム」の旗 を掲げて歌を唱い行進したそうです。

日本にも「子どもの権利」を提唱していた人物がいます。
賀川豊彦(1888~1960)は1905年代に3度のノーベル平和賞最終候補になった社会活動家であり、日本の生活協同組合の生みの親です。
彼は6つの「子どもの権利」を提唱しました。
1子どもには食う権利がある
2子どもには遊ぶ権利がある
3子どもには寝る権利がある
4子どもには叱られる権利がある
5子どもには親に夫婦喧嘩を止めてと乞う権利がある
6子どもには親に禁酒を要求する権利がある
「この世に生まれたのは早死にしたり虐待されたりするためではない。普通の常識から考えても、生まれてきたものが、幸福に安全に健全に成長発達すべきであるということは当然すぎるほど明らかなことであり、いわんや生まれて何の悪意もない神の如き子どもが虐待されたり飢えたりすることは不自然で、親は自分が産んだ子どもが健全に成長するために、これに食物を供給する義務があり、子どもには食う権利があるのである」
「叱ると怒るは違い、子どもには大人から愛情をもって叱られる権利がある」
「子どもには大人に意見をいう権利がある」
このあたりは提唱から90年近く経った今でも十二分に通じるものがあります。

私は開業以来常々、折に触れこう言い続けています;
「子供には明るい未来しかないはずで、その未来を明るくするも暗くするも私たち大人次第」
最近某学会で世界的高名な先生が同じことを仰っていました。
嗚呼、間違ってなかったんだ!と感じ、改めて心を強くしたのを覚えています。

子どものむし歯は私たち大人が作っているといっても過言ではありません。
三つ子の魂百まで。
幼少期の環境は生涯にわたって影響します。

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