岸本知弘

2025.11.01

第149号「ワークとライフ」

2025年11月1日(土)
歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然。今回も最後までお付き合い頂きますよう宜しくお願い致します。
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日本の憲政史上初となる女性総理大臣が誕生しましたね。

高市早苗氏が自民党総裁に選出された際に「全員に馬車馬のように働いてもらう。私自身もワーク・ライフ・バランスという言葉を捨てる。働いて、働いて、働いてまいります」と発言。
これはかなり波紋を呼びました。
特に長時間労働によって身内が亡くなっている場合などは、過重労働を容認するかのようなこの発言を容赦出来ないと思います。

駄菓子菓子、私はこの一連の高市発言を一定評価しています。

一国の長たる自分は常に国のことを思い動き働く、という意思表示ではないでしょうか。


京都市交響楽団の常任指揮者・沖澤のどか氏は「音楽家にワークライフバランスはないと思う。それは私生活を捨てて人生を芸術に捧(ささ)げるという意味ではなく、音楽は人生そのものであるから天秤(てんびん)にかけることができないということだ。京響は私のワークであり、同時にライフでもあるのだ」と語っています。

先述の高市発言も、意図としては同様であると私は解釈しています。

そして、それはまた、私のような市井の開業医においても同じだと自負しています。

上記の沖澤のどか氏の言葉を私流に置き換えると以下のようになるのかな・・・

「開業する歯科医師にワークライフバランスはないと思う。それは私生活を捨てて人生を歯科医療に捧(ささ)げるという意味ではなく、歯科医療は人生そのものであるから天秤(てんびん)にかけることができないということだ。口腔健康管理は私のワークであり、同時にライフでもあるのだ」

歯科医師でも、勤務医と開業医、産業医や大学勤務、行政勤務では意味合いが全く異なります。
開業医は中小企業の事業主という側面も持ち合わせている、そういう自覚が私は殊に大事だと思っています。
数年前に某大学病院の病診連携懇話会に参加した際、院長クラスの先生が「研修医もワークライフバランスが大事らしい。そんなことしてたら今の日本では医療提供体制が確保出来ない。じゃどうしたら良い!?気合いと根性。我々が馬車馬のように働くしかない (笑)」と仰ってました。
勿論そこは関西人特有のB級の笑いが生まれることを期しての発言であったことは疑う余地がないですが、画一の施策では乗りきれない課題も山積していることを、その先生は訴えておられます。

厚生労働省の元課長さんと先日話す機会があり、過労死の話になった時に
「そもそも何時間以上働いたら過労死する、みたいな医学的基準は全く無い」
から始まり、今の日本は働くということに対して妙竹林な方向で施策を進めようとしている、労働意欲に対する視点が欠けすぎてないか?など私見も交えてお話しいただきました。

至極同意!

労働は決して楽しくラクなものではないかもしれませんが、ヒトは本来、働く喜びを見つけることができるはずです。

楽しくないところで働いても生産性は上がらないでしょうし、働く中で楽しさを見つけることも働く上で大切な要因の一つです。
そういった中で、その行き着くところ(?)が前述の「ワークとライフ」なのかも知れません。


【天職】は英語では【Calling】と言い、神から呼ばれること、が語源だそう。

駄菓子菓子、受け身的に待つだけで出逢えるはずも無く、実際に試し、自身の直感を信じ、能動的に働くことによって「ワークがライフ」と言えるようになったら、それが天職、なのか!?

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