岸本知弘

第114号「トップダウンとボトムアップ」

2022年12月23日
歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然でございます。
----------
世の中がある方向に変わっていくとき、世の中をある方向に変えようとするとき、方法は大きく分けて2種類あると思います。

ひとつは、トップダウン、もしくは某人が先頭に立って邁進する
ひとつは、ボトムアップ、もしくは某人が押し上げて広げていく

どちらも推進するにはとても大切な方法です。
駄菓子菓子!どちらの方法で行うかによって受け手の感じ方は随分と違うでしょう。

トップダウンは実行できるまでにかかる時間がほぼゼロです。トップの意向次第ですので。
その代わり、上手く落とし込まないと受け手に「やらされてる感」が生じてしまいます。

その点、ボトムアップは底辺・下層から順に積み上げていきますので「やらされてる感」は生じにくく、皆が一様に同じ方向に向かって進めていくことが出来ます。
ただし時間がかかります。場合によっては途中で頓挫しかねません。

世の中の理には上記両手法が巧みに活用されているのを痛感します。
公衆衛生活動に関わっておりますと、トップダウンの施策は長続きしないものが多いと感じます。
公衆衛生は生活の場でもあるので、住民の理解と協力が大前提となり、そのような場合は、最初は時間と労力が大変必要になりますがボトムアップで行くのが望ましいでしょう。

私は「口腔健康管理」の重要性を説いていますが、これも私のような一部の人が叫んでいるだけでは全く浸透せず、広く皆さんの理解と協力があって初めて活きてきます。
口から始まる全身の健康、これに異を唱える人はいないでしょう。
でも実現できていない人が多くいる、という現実。それはなぜ?

日本は医学教育と歯学教育が全く別系統(というと言い過ぎ?)で行われておりました。
最近でこそ共通項目として医科にも歯科が、歯科にも医科が、教育の中に取り込まれてますが、各々お互いに傍科目の域からは出ません。
歯科系の健康は医科系の健康にも直結している、その逆もまた然り、という実感は、医療人が社会に出て初めて直面することが多いでしょう。
医療に限らず教育はとても大切です。知らなければ語れませんし実行もできません。
国レベルでの財政破綻がそもそもの発端という哀しい事実はありますが、日本の医療は今、疾病治療から疾病予防へとシフトしつつあります。
歯科でいうと、むし歯も歯周病も感染症であり、治癒、根絶は難しい、というのが今の常識です。
ですので、生涯を通じて付き合っていく、いわゆる管理が大切になってくるのです。
「口腔健康管理」をトップダウンで落とし込むことは厚労省はじめ関係機関が行いました。
次は、皆さん一人一人が意義を理解して実践していく番です。ボトムアップしていきましょう!

診療カレンダー

Googleカレンダーへ移動

診療日

○ ○ - ○ ○ ○ -
診療時間
10:00-13:00/14:30-18:30
休診日
水曜、日曜、祝祭日
※診療日時は予告なく変更される場合があります。