岸本知弘

第112号「災害を意識する時間」

2022年10月31日
歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然でございます。
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世の中はハロウィン一色。イベントは楽しく過ごすに限るが・・・
隣の国ではコスプレイヤーたちが百余名亡くなるという大惨事が起こっている。
血を流していてもペイントの一種と捉えられ、悲鳴やうめき声も「リアル感あるなぁ」で済まされ、救急車のサイレンの音も「ハロウィンイベントの一環かと思った」という参加者も多く、私はイベントの在り方に相当の違和感を感じている。

さて、令和4年10月13日に京都府医師会館にてJMAT京都の研修会が開催された。
今回の研修会では「花折断層で地震が起きたら」を想定して京都市左京区に開設された避難所でどう対応するか、を参加者を5~6名のグループに分けてグループディスカッション 等で検討した。

まず災害が起こったとき、それぞれの組織ではどのような初動で対応するか?
対策本部は何処に開設され、指示命令系統はどうなっているか?
個人として最初に何をすべきか?
被災地に向かうメンバーはどのようにして決まるか?
被災地に入った際、最初にすべき事ことは?
避難所に到着した際、最初に確認すべきことは?

災害時において、被災地において、正解は存在しない。
今考え得ることを上回る状況、それが災害である、と言われている。
私達は歯科医師免許を持つ歯科医師であるが、被災地に赴いた場合、もしくは地震が被災した場合、歯科医師であることをどのように証明すれば良いか?(基本的に医師や歯科医師は、運転免許証のような顔写真入りの公的証明書は持っていない)

某看護師は「避難所に到着したらまず最初に、この避難所で救急患者が発生した際の搬送経路を確認する」と仰った。職業柄かもしれないが、歯科医師も医療人であるなら、こういった発想もできるような教育が必要では、と感じた。
歯科医師の出番は災害発生から72時間以降、と言われることが多いが、ではそれまでは何もできないのか?何もしなくて良いのか?否!そんなはずはない!
歯科としての専門性を発揮するのが72時間以降であるなら、それまでは超急性期、急性期での手伝いくらいは出来るはずである。ヒトとして、医療人として。

こういった検討や連携は、平時から成されているからこそ災害時にも効果を発する。
平時から検討や連携が成されていないことは、災害時にはまず役に立たない。

1月、9月、3月、この辺りは日本全体としても災害を意識する習慣が生まれつつある。
日々の診療や生活の中に少しでも「災害を意識する時間」を設ければ災害時に必ず功を奏する。

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