岸本知弘

第108号「不易流行」

2022年6月10日
歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然でございます。
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今までは周りを気にせず大声で話し合えた
今はマスクをして極力会話もしない

今までは相手と手を繋ぎ肩を組みながら気の向くまま街へ出た
今は極力外出せず人とも会わず、会ってもディスタンス保持

今までは向き合って和気藹々団欒のもと食事時間を共有した
今は皆が同一方向を向き、話すことを禁じられた黙食

こういった社会変化は緊急事態宣言や蔓延防止等重点措置が解除されてもある程度は残り続けるでしょう。
そんな中でも、私たちは毎日食事をして、勉強して、仕事をして、子育てをして、社会に対して関わりを持ち、社会貢献しようとしています。
社会情勢がどう変わろうと安心安全に生活できる環境を整えることも公衆衛生の役割です。

何十年後かの教科書には「2020年に世界を震撼させたコロナウイルスはその後も数年間にわたり猛威を振るい世界経済はおろか社会通念さえも大きく一変させた」などと記載されると思いますが、私たちは今まさにその渦中を生きています。
なかなか先を見通すことは難しいですが、衛生面が非常に大切であることは世界中の人が改めて感じています。「手洗い・うがい」が推奨されていますが、歯磨きをはじめとする口腔健康管理もとても大切です。
「口腔内を不潔にしている」その事実だけでは生死に直接関わることもなく大きな問題も無いように思われるかもしれませんが、その事実が全身に悪影響を及ぼすことは今や医科の世界でも常識になりつつあります。なので周術期の術前術後管理で口腔健康管理が大切なのです。糖尿病重症化予防として歯周疾患管理を含む口腔健康管理が大切なのです。認知症予防として咀嚼嚥下機能を含む口腔健康管理が大切なのです。骨格や筋肉の成長発達にも大きく影響する噛む機能を十二分に発達させるためにう蝕管理を含む口腔健康管理が大切なのです。

「不易流行」とは、いつまでも変化しない本質的なものを忘れない中にも新しく変化を重ねているものをも取り入れていくことを表した四字熟語です。(蕉風俳諧より)
この言葉以上に今の公衆衛生を語る上でドンピシャな言葉はないでしょう。
時代や流行は時に応じて移り変わりますが、その本質は案外変わらないものもあります。
歯科において、トピックスは、むし歯から歯周病、咀嚼嚥下、口腔機能、そして口腔健康管理へと移り変わっていますが、その本質はQOLの向上、有意義な人生の謳歌にあります。歯や口腔の問題だけに非ず、です。
全身の健康と口腔の健康は深く密接な関わりがあります。
皆さんの口腔内に関わりながら、口腔健康管理の必要性を啓発し、より良い人生を謳歌していただけるよう、私はこれからも寄り添い関わり続けます。

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