岸本知弘

2022.03.14

第105号「音」

2022年3月14日
歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然でございます。
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私たちは日常から常に様々な音に埋もれて生活しています。
音が無い社会は存在しませんが、静寂に包まれた空間というのもまた少なくなってきています。
都市部ではヒトが生み出す人工的な音、農村部では鳥の囀りなど自然が生み出す音。
音が聞こえることによって生きていることを実感する人も少なくないでしょう。

私は高校時代に放送部に所属して以来、音楽が身近にある生活をしています。
でも街中で歩きながらイヤホンをしてまで音楽を聴くことは殆どありません。
それは、雑踏の音もとても大切だと思うからです。
聞き耳を立てるではなく聞こえてくる周りの人の会話の中には、面白いものや感心するものも少なくありません。
屋外にいると、音は不意に起こる危険の察知にも役立ちます。
人間の情報収取の手段として、8割以上が視覚、その次に来るのが聴覚(10%程度)、以下臭覚(3.5%)、触覚(1.5%)、味覚(1%)、と続きます。
視覚がそのほとんどを占めているのは疑う余地のないところですが、次点が聴覚であるということも大切なことです。
人の声も音であり、心地良い話し声はまるで音楽を奏でているような心地に誘ってくれます。

最近特によく聴くようになった曲を2曲ご紹介致します。
一青窈の「ハナミズキ」は、食育について学んでいる際に出逢った「はなちゃんのみそ汁」の基となった安武千恵さんが歌われている映像を拝見拝聴し、以来この曲が流れてくると自然と涙が溢れます。「はなちゃんのみそ汁」は2014年の24時間テレビの中でドラマ化されたものが放映され、その後に書籍化され映画化もされました。2022年2月10日に「はなちゃんのみそ汁 青春編」が続編として発刊されました。
曲そのものは一青窈さんが9.11の米中枢同時テロの時に友人に思いを馳せて作詞作曲された曲であり、他者の幸せを祈る、という、珍しいテーマが背景となっています。

MISIAの「明日へ」は、同じ歯科医師として東京で頑張っておられる某先生が「私はコロナ禍が始まり、世の中が大きく変わりつつある中で、閉塞感が膨張していく中で、本当の予防診療が受け入れられにくい日本のシステムに直面してめげそうになった時、この曲を毎朝聴きながら出勤して「今日も頑張ろう」と思ってやってきました。ぜひ聴いてほしい!本当に良い曲だから!」と強く勧めてくださり、以来ちょっとしんどい時とかに聴くようになりました。涙がこぼれます。
何が正しいのかよく分からない、流れている情報は必ずしも正しいとは限らない、今ならそう言い切れる節もありますが、コロナ禍が始まった当初はとてもそういう事を大きな声で言える状況ではありませんでした。孤軍奮闘、そんな中、音楽や歌声は勇気と希望を与えてくれます。
まだまだ続くであろう妙竹林なウイルス禍、大国がふっかけたと思われる戦争、いつ訪れてもおかしくない大規模災害、辛く悲しい現実は日常に溢れています。
駄菓子菓子!
日常に溢れる細やかな音に耳を傾けることで、安らぎ、緊張し、危機感を感じ、喜び、怒り、哀しみ、楽しみを感じることが出来ます。それが生きている、ということでしょう。

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