歯科に対する想いはデカく、態度もデカいが見た目もデカくなりつつある、そんな岸本知弘が身の引き締まる思いで綴る徒然。
今回も最後までお付き合いいただきますよう宜しくお願い致します。
ーーーーーーーーーーー
さて、メールマガジン風の発刊環境も(何となく)整ってきた。
全てが手作業、というのが何とも私らしい。
物事を始めるに際し、何事も「先ずは自分でやってみる」のが肝要と心得る。
開業当初、チェアーは昭和期の年代物を使用していた。
構造はシンプルではあるが、なに ぶん経年劣化は否めず、特にゴム製品に関しては突如として破損を来たし、診療中に 「パァ~ン!」とチェアー内から音がしたかと思えば、その後は「シュ~」という空気漏 れの音が止まらず、昼休みや診療後にチェアーを分解しては原因を突き止め→何となく自 力で修理したものだ(何となく直ってしまうから恐ろしい(^^;;)。
しかし、お陰様でチェアーの構造を多少なりとも理解することができた。
そもそも歯科機器は、狭い通路に電気系統と空気系統そして水系統が混在するという、整備する側としては出来るなら避けたい構造になっており、その通路もグネグネとフレキシブルに動き回り、至る所にコネクタが存在し、決して安静になることがない。
堅牢かつ柔軟な素材が求められるが、そんな両極端な特性を持つ素材など存在しない。
それでも、そこを「何とか」するから技術者はスゴイ。
修理の度に「しかしまぁ、良くできてるなぁ」と(その瞬間は思う余裕もないが)感心し たものである。
今のチェアーは大部分がコンピュータ制御になってしまったが故に故障しても自力で修理 しにくい。
よって「餅は餅屋に」であるが、故障原因と修理内容を理解把握する上で、当時の経験は今でも非常に役立っている。
さて。
私たちは日々目の前の患者さんに対し診療業務を行っている訳だが、その内容は2つとし て同じものはない。 一人一人が異なり、また同じ人であっても部位が違い、同じ部位であっても時期が違えば 状況が違う。 言うなれば、その瞬間こそが新たな出会いであり、一期一会とは我々の為にあるのではないか、とさえ思える。